世界の果て

帯のたれ先にある線、名前をご存知ですか?


上の写真の下から三分の一くらいのところに入っている横線です。
これ、オランダ線と言います。ものによってはない場合もあります。

そして写真ではすでに仕立てられているので折り込まれてしまってますが、オランダ線よりさらに端にある、織りだしの線を界切(かいきり)線といいます。現代の仕立てではほぼ折り込まれて中に入っているのであまり目にすることはありませんが、織りだしの線として必ず入る線です。
たまに界切線も見えるように仕立てているものもあります。

オランダ線と界切線。
変な名前。
なんでオランダ?界切って何?

と疑問に思ったことがある方も少なくないのでは?

実はこの二つの線はある意味、着物が長~い歴史を持った、日本の衣服であることを物語っているのです。

と、えらそうですが、私も聞いた話。

このオランダ線と界切線というネーミングは、長崎の出島に由来するという説があるそうです。

江戸時代、日本は鎖国しておりましたが、唯一オランダ船だけは長崎の出島に入港を許されていました、よね。その出島と長崎に帯をたとえて、たれ先が出島、太鼓側が日本人のいる領土、というわけです。そしてその境にあるのがオランダ線というわけです。

そして界切線。これは、一番端っこ、出島よりさらに先、つまり世界のキリ(果て)というわけです。

当時の人々にとっては日本より向こうは世界の果てなんですね。
こんな言葉から、昔の人の世界観が垣間見えるような気がしました(^-^)

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